ドラッグストアの人間関係は、調剤薬局より複雑です。
薬剤師と事務の方以外に、物販やOTCを販売するパートやアルバイトの方もいるからです。
実際に調剤併設型ドラッグストアで一般薬剤師、管理薬剤師として働いたことのある私が、リアルな人間関係の体験談とその解決法を語ります。
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ドラックストアでパートの方との人間関係がこじれる理由
人間関係がこじれる理由は大まかに3つあります。
- 給料・待遇の違い
- 店舗の経験年数の違い
- 調剤以外の仕事をないがしろにする
1つずつ見ていきましょう。
給与・待遇の違い
薬剤師として働くと、パートさんの時給の2倍以上になることがあります。
数年間パートで働いても、薬剤師のまだ何もできない新人が配属されて自分の2倍以上の給料をもらっていたらいい気はしないですよね…
給料が高い分、薬剤師としてきちんと仕事をしないと良い感情をもたれないことがあります。
店舗の経験年数の違い
パートさんはたいていの場合近くに住んでいるため、薬剤師よりその店舗での勤務年数が長いです。
ドラッグストアの薬剤師は定期的に異動があるため、3年くらいでほとんどの薬剤師が入れ替わってしまう店舗もあります。
そのため店舗に配属された薬剤師は何歳であろうとも、『その店舗の新人』です。
しかし『社員だから』『薬剤師だから物販(日用品の販売など)は関係ない』と偉そうな態度をとる人がいて、そういう人は確実に人間関係がこじれます。
調剤以外の仕事をないがしろにする
薬剤師は調剤の仕事が忙しく余裕がない場合が多く、物販の仕事に関わることのできる時間は短いです。
しかし、パートさんから薬の相談で呼ばれても忙しくて後回しにする、レジが混んでいても手伝わない、店舗の業務に全く注意を払わないとパートさん達から反感を買うことがあります。
ドラックストアでバイトの方との人間関係がこじれる理由
アルバイトの方とはパートさんとは別の理由で人間関係がこじれることがあります。
- 大学生が多く、若い人が多い
- 短い時間しか仕事をしないので、教えるのが大変
- バイトの人の仕事の愚痴を、あとでパートさんに聞かされる
こちらも理由別にみてみましょう。
大学生や若い人が多い
これはもうしょうがないのですが、若いので一般的なマナーとか常識がない人がいることです。
挨拶ができない、倉庫をぐちゃぐちゃにする、お客さんを怒らせる…などです。
アルバイトの人が入るのはパートさんが帰った夕方〜夜が多いので、店舗の対応が手薄になり、薬剤師が手伝うことがあります。
アルバイトの人
アルバイトの人の対応でお客さんとトラブルがあった時は、社員である薬剤師が呼ばれることもあります。
レジに行くとお客さんはカンカンなので、事情を聞いて謝り、調剤の待合室も患者さんがいっぱいで不穏な空気…という冷や汗が出る場面がありました。
そうすると、レジがあのバイトの子だけの日は面倒が起きそうで辛い…と思うようになります。
短い時間しか仕事をしないので、教えるのが大変
店長や物販の社員の方がいないときは、薬の場所であったり、レジの操作だったりわからないことがあると薬剤師が教えなければなりません。
ちゃんと覚えてくれる人が多いですが、中には覚える気がなく、何度も同じことを聞いてくる人がいて心が折れます。
バイトの人の仕事の愚痴を、あとでパートさんに聞かされる
バイトの人が品出しで、前出し(消費期限の短い商品を前に出すこと)をしないからやり直しになったり、品切れ品の発注をしないからお客さんに迷惑がかかったなど。
次の日に出勤してきたパートさんに、本人はいないため薬剤師が愚痴を聞かされることになります。
そういうことが頻繁にあると、ちゃんと仕事してくれよ…とバイトの子を良く思わなくなってくることがありました。
ドラックストアの店長と薬剤師の人間関係は?
ドラックストアの店長はコミュニケーションスキルに長けている人が多く、店長との関係で苦労している薬剤師はあまりいませんでした。
調剤の売り上げが好調であれば、店舗の評価も良くなるので、調剤室が仕事をしやすく配慮してくれる店長が多いです。
しかし中には、薬剤師に利益の大きいOTCを販売してとノルマを設けたり、薬剤師でも社員だからとシフトの融通をきかせてくれないなど、店長との関係が悪化する薬剤師もいました。
パートやアルバイトの人と良好な関係を築くコツ
こじれた人間関係の話ばかりしてすみません。
こからはパートさんやアルバイトさんと良好な関係を築くためのコツを、まとめます。
薬の相談で呼ばれたらなるべく早く行く
お客さんから、物販の人がわからない薬の質問で呼ばれたときは、なるべく早く行ってあげることです。
調剤室も大変ですが、薬剤師のメンバーでうまくやりくりして物販の売り上げにも貢献してあげると、物販のメンバーも薬剤師に協力してくれます。
売り場もきちんと見る
休憩室に行くときや、調剤室の出入りの時でいいので、売り場で乱れているところを直したり、値札が取れているところなどを物販の人に伝えます。
また、売り場の魅せ方や陳列で意見を聞かれたら、自分の意見を答えます。
良い売り場の配置だったら、
あやせ
花粉症の売り場いいですね!分かりやすいしPOPも綺麗!
と感想を伝えたりします。
ドラッグストアの売り場の並べ方次第で売り上げが変わるので、もっと売れるように協力するのも大事かなと思います。
倉庫の使い方に気を付ける
物販の人がいない時に、お客さんに在庫がないか聞かれ対応することがあります。
そういう時は倉庫に取りにいき、目的の商品を見つけたら、探す時にどかした段ボールなどは元に戻しておきます。
在庫管理は物販の人の中で担当が決まっていて、決まった人が管理していることが多いので、品出しした時や発注が必要な時は連絡しておきます。
品出ししたのに担当の人に言わないと、在庫がないと勘違いし発注し、在庫過剰になったりと、トラブルになります。
レジにお客さんが並んでいたら手伝う
調剤室も忙しいので、いつも行けるとは限りませんが、レジにお客さんがずらっと並んでしまった時は調剤室から応援に出るようにします。
メンバーの人間関係だけでなく、店舗の評判に関わりますのでできる限り対応しましょう。
1日1回は声をかける
とにかくコミュニケーションをとることが最も大切です。
『新商品CMやってますね』『お子さんの風邪治りました?』など、些細な日常会話を絶やさなければ人間関係がこじれることはグッと少なくなります。
また、不満があっても本人に直接言ってもらえます。
陰であれこれ言われるとどんどん関係修復が難しくなっていきます。
毎日話していれば、関係がこじれる前になんとかできる可能性が高いです。
もう無理…人間関係が修復できずに辛い人へ
それでも人間関係がもう修復できないレベルにこじれることってあります。大丈夫です。あなただけではありません。
そんな時の対処法は2つあります。
異動願いを出す
同じ職場の同僚や上司に相談しても解決しない場合は、エリアマネージャーに相談しましょう。
あやせ
私は一般薬剤師だった頃、管理薬剤師と合わなすぎて異動させてもらったことがあります
パートやアルバイトの方との人間関係がこじれた時は、近隣の店舗に異動させてもらえば解決することが多いです。
人間関係の悩みは誰でもあるものですし、辛いならすぐに相談して対応してもらいましょう。
転職する
ドラッグストアで働くのはもう無理だと思ったら転職するのもありです。
調剤併設型ドラッグストアで働いた経歴があると、調剤の知識に加えてOTCの商品知識もある薬剤師として評価されます。お客さん対応のコミュニケーションスキルもポイントが高いです。
調剤薬局や病院はもちろんのこと、製薬企業などの企業への転職も可能です。
薬剤師が活躍できて高収入の仕事も思いの他多く、転職サイトを眺めているだけでも驚くはずです。土日が完全に休みの仕事もあります。
また、転職をサポートしてくれる転職エージェントに悩みや希望を聞いてもらえたり、『いつでも転職できるんだ!』という状態になると、心も軽くなるしワクワクします。
すぐに転職しなくても、エージェントに希望の条件を伝えると求人が出た時にすぐに教えてもらえるので、転職サイトに登録だけでもしておくことをおすすめします。
人気のある非公開求人などはすぐに募集が終わるので、2〜3社登録して良い求人を逃さないようにしておきましょう。
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